Posted on Friday, Feb 28, 2025 15:19
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Posted on Monday, Oct 26, 2009 10:21
24日に北大で開催された日本中東学会の講演会を聴いてきた。目当てはJOGMEC 本村氏によるロシアの石油・天然ガス開発と輸送に関する講演である。
ほぉ,そうか,という東シベリア関連の最新情報として,
バンコール油田が生産を開始した(おっと,これは西シベリアだけど,その東端ではある)。
東シベリア・ガス・パイプラインはベルフネチョンやチャヤンダ付近を経てアルダン,スコボロディノまで完成した。
JOGMECが資源探査目的で現地企業と設立したイルクーツク石油は,今,どんどん石油を掘っている(汲んでいるということらしい)。
などが紹介された。
東シベリア・ガス・パイプラインは,2007年の秋,ウスチ・クトからの飛行機が雪で欠航になったため,イルクーツクまでタクシーで走破した際,道中で工事現場や完成した区間をいくつか目にしたことを思い出す。シベリヤの原野に延々とパイプラインを埋設した現場が続いていた(写真上)。そのころ,ウスチ・クトからは,レナ川河川港からバージに乗せた資材が下流の建設サイトに向けて輸送される最後の時期であった(写真中)。
2008年1月に同地を訪問した時は,今度は“冬の道路“を使って,ガス・石油開発サイト(ベルフネチチョンなど)へのトラック輸送が盛期に なったところであった(写真下)。日によっては最低気温が-50℃を下回る環境であるが, これ が逆に幸いして,夏には湿地で無数の川が流れる原野が,凍結のおかげで通行できるようになる のである。この2年弱の期間で1,000kmオーダーの延長のパイプラインを完成させたことになる。しかも,未踏の凍土地帯を通してである。
さて,ロシア政府がアナウンスするたいていの開発・建設プロジェクトは話ばかり大きくて,予算も準備もさっぱりで,あてにならないものが多いのであるが,ことエネルギー関連,しかも東シベリア界隈では,そ うとも限らない。たった2年前における上記の状態から,見事にシベリアの悪条件の中で大きな進捗を遂げているところを見ると,ロシアの国力を侮ってはいけないと,感心する。
イルクーツク石油が順調に事業を進めているらしいことも,嬉しい情報だ。イルクーツク石油の発足が発表されたのは,我々の東シベリア調査が完了した半年後くらいであったろうか。イルクーツク州政府のルスカリョフ局長には,“彼が協力してくれたプロジェクトが,このような成果に結びついた(少しは・・・)”ことを,ルテニア@“O“氏を通じて知らせてあげた。
さて,本村氏の講演の主題はこれではなかったのであるが,その感想はまた別稿で。ちなみに,中東学会の研究者による他の講演もなかなか面白かった。ただし,時間を守り,その中でビジュアルに表現する点では,この分野の方々はあまりお上手ではないようだった。
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Posted on Wednesday, Oct 21, 2009 16:00
国連大学が提供している Web サイト ”Ourworld ” に,波力発電技術に関する記事 ”Ocean energy making waves, ” をみつけた。
http://ourworld.unu.edu/jp/ocean-energy-making-wavesmore-934/
その中で,
『当面、波力発電施設の開発・建設は固定価格買取制度を通して支援されるべきだろう。この制度によりヨーロッパの再生可能エネルギー事業は急速に発展したのだ。(ドイツやスペインは顕著である)
中略
当然ながら、CCS(炭素回収貯留技術)のようないまだに実行不可能な技術ではなく、商業用プロトタイプに着手している産業を支援する方が、政府にとっては得策なのである。』
というくだりがある。同感である。
Posted on Monday, Oct 19, 2009 11:17
札幌,もとい北海道においてH1N1の感染が拡大している。国産ワクチンの接種が始まるとのことであるが,すでに大流行の状態であり,少しでも早い対策が望まれる。
で,H1N1とはどんなもので,どのような心構えが必要か,確認してみようと思う。調度よく,下記記事が出ていたので以下に整理して,社内に配布した。
http://sanfordherald.com/pages/full_story/push?article-Local+doc+answers+your+H1N1+questions-%20&id=4039585&instance=latest_articles
Sanfordherald紙の記事より
Dr. Gerard O’Donnell氏がSanford Herald紙において,H1N1に関して読者からよく出る質問について答えた形式の記事。
Q:豚インフルエンザとは?
A: H1N1の2009年型(新型ブタインフルエンザとも呼ばれている)は,人間に感染して発病させる新しいインフルエンザ・ビールスで,今年の4月に米国で最初に発見された。発見されたビールスはブタインフルエンザと命名されたが,その理由は,その遺伝子の多くがブタに発生する一般的なインフルザと類似していることが試験によって判明したことによる。
さらにその後の研究により,この新しいH1N1は,ブタの間で感染が繰り返されているビールスとはかなり違うことも明らかになった。WHOの警報レベルは“6”,すなわち最も高いレベルとなっており,人間への感染が2つ以上の国に拡大していることを示すものとなっている。この警報レベルは6月11日に発令された。
Q: 季節性インフルエンザとの違いは?
A: まず,感染しやすい人のタイプが異なっている。一般に季節性インフルエンザの場合は,65歳以上の高齢者および5歳以下の小児への感染リスクが高い。一方新型では,65歳以上の高齢者への感染リスクは低いことと,ただしもし感染すると重症化しやすい特徴がある。
次に,臨床における症状として,季節性と新型は非常に似通っているものの,新型インフルエンザでは胃腸の症状がより顕著に出るようである。
3番目に,新型インフルエンザの方が,ヒトヒト間の感染力がかなり高いことがある。季節性インフルエンザよりも容易に流行する特徴があると言える。
Q: 患者数は?
A: 10月11日現在で, 40万人の感染が試験機関で確認され,4,735人の死亡がWHOに報告されている。多くの国ですでに個々の感染者数の計上を中止しており,この感染者数は実際の感染者数よりもかなり少ないものと思われる。
Q: 感染はどのようにして発生し,潜伏期間はどれくらい?
A: 感染はヒトヒト間で起こる。H1N1ビールスは,感染者の呼吸器からの飛沫物の中に存在しており,くしゃみや咳で感染が起きる。
2009年型H1N1および季節性インフルエンザに感染している人は,発症する1日前から始まり,症状が出てから5日から7日の間,他者に感染させる可能性がある。潜伏期間は1日から7日間程度,平均的には1日から5日間程度である。
Q: かからないようにするには?
A: 基本的な衛生対策は次のとおり。
○ 石鹸による手洗い。
○ 目・鼻・口にさわらないこと。(ビールスがこの部位に接触することを防止)
○ 病気の人との濃密な接触を避けること。
Q: 症状は?
A: 2009年型H1N1は伝染性の呼吸器疾患で,軽度から重度の症状を引き起こし,症状は発熱,喉の痛み,鼻汁,鼻づまり,関節痛,頭痛,寒気,倦怠などである。また,発熱を伴わない場合もある。
Q: どのような人がハイリスクとなるか?
A: “ハイリスク“の意味によって異なるが,,,合併症を起こしやすいという意味では;
第1に妊婦,年齢層では6か月から24歳の若年層で合併症の比率が高くなっており,24歳以上の年齢層においては慢性疾患(糖尿病,気腫など)を持っている人がハイリスク・グループである。
現時点では,65歳以上の年齢層での死亡例わわずかであり,これは季節性インフルエンザの場合と比較するとかなり異なっている(季節性インフルエンザの場合のハイリスク・グループは65歳以上の高齢者である)。
以上よりハイリスク・グループは,妊婦,6か月以下の幼児と生活または養育している人,医療関連業務の従事者,緊急医療業務の関係者,6か月から24歳の若年者,および24歳から64歳で慢性疾患を持っている人,となる。
Q: 予防接種について
A: どのような薬品であれ,副作用がある。予防接種における一般的な副作用としては,注射部位が赤く腫れたり,痛みが出たりすることである。また,重度のアレルギー反応も起こることがある。アレルギー反応は特に,ワクチンが鶏卵を使って作られるため,卵アレルギーを持っている人に起こりやすい。
Q: H1N1の予防接種を受けた場合,季節性インフルエンザの予防接種も必要か?
A: 両方とも必要。(米国では同時接種も行っている)
Q: もしインフルエンザ症状を感じた場合,どうすればよいか?
A: インフルエンザ症状を感じた場合,解熱剤は使わないで,熱が下がるまで自宅の中で療養することを進める(米国の場合)。
医師によってH1N1および季節性インフルエンザともに抗インフルエンザ薬を処方することも可能である。これらの薬によって回復を早めること,および合併症の発生を抑えることが期待できる。ただし, H1N1にかかった多くの人の症状は軽度で,治療や抗インフルエンザ薬は不要であったことを忘れないで欲しい。
Q: もし同居している家族がH1N1にかかった場合,会社に出社したり仕事に行ったりしても良いか?
A: 一般的には良いと言える。しかし,自分の健康状態を毎日よく監視し,同時に可能な限りの予防措置を取る必要がある。すなわち,咳をカバーすることや 手洗いなどである。
Q: ブタインフルエンザ・パーティは?
A: ブタインフルエンザの感染者との濃密接触者と一緒になって,軽度に発症し,自然に抗体・免疫を持とうとするものであるが,全く勧められない行為である。感染が個々人においてどのような症状を発症するのか確約できるものではない。
Q: 豚肉を食べたり,調理することでH1N1に感染することは?飲料水やプールでの感染は?
A: インフルエンザ・ビールスは上気道ウィルス感染症であり,飲料水での感染は起きていない。また,豚肉を食べたり,調理したりしても,あるいは他の食べ物からでも感染することはない。
Q: 季節性インフルエンザ・ワクチンは,ブタインフルエンザにも有効か?
A: 季節性インフルエンザ・ワクチンは2009年型H1N1に対する有効性を期待されていない。
«おまけ:::: Dr Jazz wrote on Sunday, Oct 18 at 03:12 PM :::::»
なんでもDr Jazzが上記記事に寄せたコメントによると,ビタミンD3の処方によって,インフルエンザの基礎的な予防が可能だそうで,これは科学的にも検証されているとか。
Posted on Thursday, Oct 15, 2009 17:08
ロイターによると(14 Oct. 発),U.S. Centers for Disease Control and Prevention(CDC)が発行した新しい新型インフルエンザ対策ガイドラインでは,これまでの手順が変更され,マスクなどの防護品を使用して病院勤務者をH1N1から守るという方法は終わりをつげた。新しいガイドラインでは,出来る限り多くの病院スタッフに対してワクチン接種するとともに,インフルエンザ様症状の来院者に対して入室制御バーによる入室管理を行うことを要請している。
スタッフと患者をビールスから守る最良の方法は,ビールスを施設内に入れないことであるとCDCはアドバイスしている。たとえば,外来患者と,軽いインフルエンザ様症状を持っている患者(合併症のリスクがないケース)との接近を最小限にするため,インフルエンザを疑われる,または確定しているインフルエンザ患者の来院を,彼らが感染源にならなくなるまでは先送りするよう調整するなどの方法が提案されている。また,待合室へのパーティション設置,排気システムの強化も推奨されている。病院管理面では,スタッフへのワクチン接種,病状のあるスタッフの自宅待機,手指の消毒,インフルエンザ症状患者の待合室の他患者との分離を挙げる。(ところで,ある空調を生業とする友人の情報では,日本の病院施設(特に新しくない病院)における空調・空気の衛生管理はかなりひどいものであるらしい。最新の建物であればそうでもないらしいのだが,真面目にやるとかなりの設備,対策,費用をかける必要があるらしい。)
一方で,“インフルエンザの対策における,個々人の防護具あるいはPPE品による対策は終わったといわれる。その理由は,これらは正確な用法で一貫して使用されなければ十分に機能しないためである。CDCでは,汚染排出に十分な注意をはらうこと,技術的管理,病院の適切な維持・運営管理によって,PPEの必要性は低下する。これはN95マスクなどのレスピレータについてもである。また,近年の特に重要な懸念として,レスピレータの不足が多くの保健施設においてすでに発生していることを指摘している。
The Society for Healthcare Epidemiology of America(アメリカ健康管理・疫学会)では, “我々は,通常行われているハイリスクの処置(たとえば気管支鏡検査)のために必要な,しかし現時点でもすでに不足している医療品が,さらに少なくなってしまうというリスクの拡大に,医療関係者らを追いこみかねない状態にある。市民を守るための最良の科学的な解決策は,もはや,ワクチン接種以外にはない。”と述べている。
その一方,アメリカの看護師・医師・技師のうち,季節性インフルエンザの予防接種を受けたのは40%にとどまっているとのことである。
こんな中,今日,オフィスのそばの病院で,季節性インフルエンザの予防接種を受けてきた。
Posted on Wednesday, Oct 07, 2009 16:08
今年2月に二階経済産業大臣(当時)は,太陽光発電に対する新たな電力買取制度を創設してH22年度までに開始することを発表,「エネルギー供給構造高度化法案」を国会に提出することを明らかにした。そして7月1日,『エネルギー供給構造高度化法(エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律)』が成立した。これは,簡単に言うと,太陽光発電設備による余剰電力を電気事業者が現在の二倍程度の価格で買い取ることなどを定めたものとなっている。現在,電力事業者が自主的に買い取っている価格が24円kWhだそうで,これを一般家庭からは48円/kWh程度で買い取ることになるという。また買い取り期間は10年程度となっている。
太陽光発電システムは可動部分がないのでメンテナンス性に優れている様で,一般家庭への導入性に優れているように思う。導入時の補助金制度もあり(現在の制度は申請が来年1/29まで,かつ予定予算額に達した時点で募集打ち切りだったはずだが),やってみたくなる環境が整ってきた。我が家でもどうか,なんて思っている。
一方,電力事業者の電力買取り額が拡大し,それを一般の電力料金に上乗せするそうであるから,えっ?と感じる市民も出てこよう。強力な財政支援のもとで行われる政策,,,というよりは,他人のなんとかで相撲を取ろうとしている感もある。また,太陽光発電だけが対象というのも,太陽光発電好きの経済産業省ならでは,である。ほかの再生可能エネルギー開発のインセンティブが萎えてしまわないように,多面的な制度の拡大をぜひ推進してほしいと思っている。・・・当然そうなると思うが。(それに48円/kWhなら波力発電だっていい勝負ができる・・・はず)
他方,民主党は衆院選のマニフェストで,自家消費分も含めた全発電量を買い取るという制度案を掲げている。また太陽光発電以外の再生可能エネルギー(発電)も買い取りの対象にすることを検討しているという。読売新聞記事(10/7)によると,直嶋経済産業相は,2年後に電力買取制度を見直すという麻生政権での方針に対し,これにこだわらず,また全量買い取りを視野に入れた検討をする方針とのことである。そうなると,国民負担が拡大することになり,産業界だけでなく一般市民の理解をいかに得るか,補助制度などを含めて多くの議論と調整が必要になろう。
ところで巷では,太陽光発電の勧誘セールスも盛んになっているらしく,当然,といっては情けない話であるが,悪質なセールス活動で法外な値段で買わされる事例も出ているそうである。