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東シベリア開発情報
Posted on Monday, Oct 26, 2009 10:21
24日に北大で開催された日本中東学会の講演会を聴いてきた。目当てはJOGMEC 本村氏によるロシアの石油・天然ガス開発と輸送に関する講演である。
ほぉ,そうか,という東シベリア関連の最新情報として,
- バンコール油田が生産を開始した(おっと,これは西シベリアだけど,その東端ではある)。
- 東シベリア・ガス・パイプラインはベルフネチョンやチャヤンダ付近を経てアルダン,スコボロディノまで完成した。
- JOGMECが資源探査目的で現地企業と設立したイルクーツク石油は,今,どんどん石油を掘っている(汲んでいるということらしい)。
などが紹介された。
東シベリア・ガス・パイプラインは,2007年の秋,ウスチ・クトからの飛行機が雪で欠航になったため,イルクーツクまでタクシーで走破した際,道中で工事現場や完成した区間をいくつか目にしたことを思い出す。シベリヤの原野に延々とパイプラインを埋設した現場が続いていた(写真上)。そのころ,ウスチ・クトからは,レナ川河川港からバージに乗せた資材が下流の建設サイトに向けて輸送される最後の時期であった(写真中)。
2008年1月に同地を訪問した時は,今度は“冬の道路“を使って,ガス・石油開発サイト(ベルフネチチョンなど)へのトラック輸送が盛期になったところであった(写真下)。日によっては最低気温が-50℃を下回る環境であるが,これが逆に幸いして,夏には湿地で無数の川が流れる原野が,凍結のおかげで通行できるようになるのである。この2年弱の期間で1,000kmオーダーの延長のパイプラインを完成させたことになる。しかも,未踏の凍土地帯を通してである。
2008年1月に同地を訪問した時は,今度は“冬の道路“を使って,ガス・石油開発サイト(ベルフネチチョンなど)へのトラック輸送が盛期になったところであった(写真下)。日によっては最低気温が-50℃を下回る環境であるが,これが逆に幸いして,夏には湿地で無数の川が流れる原野が,凍結のおかげで通行できるようになるのである。この2年弱の期間で1,000kmオーダーの延長のパイプラインを完成させたことになる。しかも,未踏の凍土地帯を通してである。
さて,ロシア政府がアナウンスするたいていの開発・建設プロジェクトは話ばかり大きくて,予算も準備もさっぱりで,あてにならないものが多いのであるが,ことエネルギー関連,しかも東シベリア界隈では,そうとも限らない。たった2年前における上記の状態から,見事にシベリアの悪条件の中で大きな進捗を遂げているところを見ると,ロシアの国力を侮ってはいけないと,感心する。
イルクーツク石油が順調に事業を進めているらしいことも,嬉しい情報だ。イルクーツク石油の発足が発表されたのは,我々の東シベリア調査が完了した半年後くらいであったろうか。イルクーツク州政府のルスカリョフ局長には,“彼が協力してくれたプロジェクトが,このような成果に結びついた(少しは・・・)”ことを,ルテニア@“O“氏を通じて知らせてあげた。
さて,本村氏の講演の主題はこれではなかったのであるが,その感想はまた別稿で。ちなみに,中東学会の研究者による他の講演もなかなか面白かった。ただし,時間を守り,その中でビジュアルに表現する点では,この分野の方々はあまりお上手ではないようだった。
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