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SWOT分析について

 最近担当した業務のなかで、SWOT分析を扱う機会があった。今日、サーチエンジンでSWOTを検索すると、日本語サイトだけで179万件以上のサイトがヒットする。英語を含めると3千万件を超える。これほど巷に広がっているとは、少々驚いた。たしかにインドネシアでも、SWOT分析を使って事業計画の分析をおこなっている資料に複数出会った。この手法は、特性を把握して用法を間違わなければ、有力な戦略分析・評価ツールとなり得るものと理解している。

■SWOT分析とは
 SWOT分析は、組織、事業、プロジェクトなどのビジョンや戦略を立案するために、内部環境および外部環境を構造的に分析するもので、米国スタンフォード大のAlbert Humphreyによって1960~70年代に構築された分析手法である( SWOT analysis, From Wikipedia, http://en.wikipedia.org/wiki/SWOT_analysis, viewed at Aug.25, 2010。この手法はハーバード・ビジネス・スクールのテキストともなり、企業活動を分析し戦略を策定する方法として米国で広く普及した。今日では企業活動のみならず、行政・公共事業分野など、広い分野で活用される様になっている。
 前置きが長くなったが、SWOT分析とは、組織の外的環境に潜む機会(O=opportunities)と脅威(T=threats)、組織の内的状況が持つ強み(S=strengths)と弱み(W=weaknesses)について分析することにより、組織やプロジェクトなどの有する目標が達成可能かどうかを判断する手法である。S・W・O・Tの4要素の分析の結果を次図のようなマトリクスにすることで、問題点やその構造がわかりやすく整理される。これをもとに、組織やプロジェクトの戦略・目標の評価・策定を進めようとするものとなっている。ただし、後でも述べるが、SWOT分析が基本戦略を導き出す1次的なツールと解釈するのには問題がある。むしろ、上位の目標あるいは基本戦略があって、これを評価し、目標・戦略にフィードバックするプロセスをあたえるもの、ととらえた方が間違いなさそうである。

表-1:SWOT分析結果の整理例
 
内部状況
外部環境
好影響
Strengths 強み
組織の強みとなる要素を記述
Opportunities 機会
外部環境で、テーマにおいて機会・チャンスとなる要素を記述
悪影響
Weakness 弱み
組織の弱みや課題・問題となる要素を記述
Threats 脅威
外部環境で、脅威となる要素を記述


■SWOT分析の方法
 企業や組織における戦略とは、組織の内的状況と外的環境をすりあわせるもの、ととらえる考え方が広く受け入れられている。これがSWOTの基礎となっている。ここでOとTで表される外的環境とは、企業や組織が目的を達成するうえで影響を及ぼすと思われる要因、たとえば政策や規制、経済状況、技術革新、顧客、ビジネスチャンス、競合他社、都合の悪いことなど、とされている。またS・Wで表される内部状況には、目的達成にかかわると思われる組織の強みと弱み、たとえば保有する人的資源、資金、技術、情報、装備・設備・資源などの状態と課題・展望などとされている。繰り返しになるが、これら外的環境と内的状況の状態と動向を分析・予測し、目標を実現するための戦略を定めることに結び付けようする手法がSWOT分析である。
 実際のSWOT分析では、まず、設定されたテーマのもとでSWOTそれぞれの要素を抽出する。この際、いきなり“脅威は?“と検討するよりは、関連しそうなテーマ・分野・分類を(政策、経済、資金、競合他社、競合製品、災害、事故・・・など)、その階層にも注意して準備しておいてとりかかるのが良いだろう。SWOT分析を戦略的に実施する上で、3C(Customer, Competitor, Company)というフレームワークと組み合わせ、顧客・競合他社・自社に関連する要素に注力して分析する方法も提案されている。
多数の項目要素が抽出された際、それが内的状況なのか外部環境なのか、考え方や状況によってどちらにも取れるような事項が出てくる。内的状況は、自分の組織内で対処可能なもの、外的環境は組織内では変えることができないもの、とすると良いと説明されることが多いようである。また、SWOTの制限をつけずに要素を抽出し、KJ法などで整理する方法も考えられる。こうして、抽出された要素を既出のマトリクス形式に整理する。
 
↓ 以下につづく↓
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