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新型インフルエンザ対策 CDCガイドラインは言う

 ロイターによると(14 Oct. 発),U.S. Centers for Disease Control and Prevention(CDC)が発行した新しい新型インフルエンザ対策ガイドラインでは,これまでの手順が変更され,マスクなどの防護品を使用して病院勤務者をH1N1から守るという方法は終わりをつげた。新しいガイドラインでは,出来る限り多くの病院スタッフに対してワクチン接種するとともに,インフルエンザ様症状の来院者に対して入室制御バーによる入室管理を行うことを要請している。
 スタッフと患者をビールスから守る最良の方法は,ビールスを施設内に入れないことであるとCDCはアドバイスしている。たとえば,外来患者と,軽いインフルエンザ様症状を持っている患者(合併症のリスクがないケース)との接近を最小限にするため,インフルエンザを疑われる,または確定しているインフルエンザ患者の来院を,彼らが感染源にならなくなるまでは先送りするよう調整するなどの方法が提案されている。また,待合室へのパーティション設置,排気システムの強化も推奨されている。病院管理面では,スタッフへのワクチン接種,病状のあるスタッフの自宅待機,手指の消毒,インフルエンザ症状患者の待合室の他患者との分離を挙げる。(ところで,ある空調を生業とする友人の情報では,日本の病院施設(特に新しくない病院)における空調・空気の衛生管理はかなりひどいものであるらしい。最新の建物であればそうでもないらしいのだが,真面目にやるとかなりの設備,対策,費用をかける必要があるらしい。)
 
 一方で,“インフルエンザの対策における,個々人の防護具あるいはPPE品による対策は終わったといわれる。その理由は,これらは正確な用法で一貫して使用されなければ十分に機能しないためである。CDCでは,汚染排出に十分な注意をはらうこと,技術的管理,病院の適切な維持・運営管理によって,PPEの必要性は低下する。これはN95マスクなどのレスピレータについてもである。また,近年の特に重要な懸念として,レスピレータの不足が多くの保健施設においてすでに発生していることを指摘している。
 
 The Society for Healthcare Epidemiology of America(アメリカ健康管理・疫学会)では, “我々は,通常行われているハイリスクの処置(たとえば気管支鏡検査)のために必要な,しかし現時点でもすでに不足している医療品が,さらに少なくなってしまうというリスクの拡大に,医療関係者らを追いこみかねない状態にある。市民を守るための最良の科学的な解決策は,もはや,ワクチン接種以外にはない。”と述べている。
 その一方,アメリカの看護師・医師・技師のうち,季節性インフルエンザの予防接種を受けたのは40%にとどまっているとのことである。
 
 こんな中,今日,オフィスのそばの病院で,季節性インフルエンザの予防接種を受けてきた。
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ソーシャル・キャピタル

 

初投稿,だけど,まずは自分の別blogからの転記::

アメリカの政治学者R.D.パットナムの研究を契機として,現代社会の様々な特性の分析において,「ソーシャル・キャピタル」の概念に大きな関心が集まっ ている.ソーシャル・キャピタルとは「人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を改善できる,信頼,規範,ネットワーク といった社会組織の特徴」と定義している(Putnam,内閣府国民生活局).そして「ソーシャル・キャピタル」が豊かなら,人々は互いに信用し自発的に 協力する,すなわち「集合行為のジレンマ」を解決する鍵として期待している.また,2005年に地域再生法に基づいて閣議決定された「地域再生基本方針」 においても,地域固有のソーシャル・キャピタルの活性化を通じて,企業,教育機関,公共団体などが,地域の重要な政策テーマに応じて連携する活動を促進 し,地域再生への支援に活用していくことが提示されている.

 

 ここでちょっと,ソーシャル・キャピタルの定義を比較してみると,

◆R.D.パットナム

  人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を改善できる,信頼,規範,ネットワークといった社会組織の特徴。

 

◆F,フクヤマ

 

 信頼(Trust)が社会全体あるいは社会の特定の部分に広く行き渡っていることから生じる能力

 

◆世界銀行(World Bank)

 

 社会的なつながりの量・質を決定する制度,関係,規範.社会的なつながりは経済の繁栄や経済発展に不可欠である.ソーシャル・キャピタルは単に社会を支えている制度ではなく,社会的につながりを強くするための糊の役割を果たしている.

◆OECD

 規範や価値を共有し,お互いを理解しているような人々で構成されたネットワークで,集団内部または集団間の協力関係の増進に寄与するもの.

◆W.ベイカー(ミシガン大学 ビジネススクール)

 個人的なネットワークやビジネスのネットワークから得られる資源であり,情報・アイデア・指示方向・ビジネスチャンス・富・権力や影響力・精神的サポート・善意・信頼・協力.


  さて,地震などの災害の発生にあたり,地域住民個々人,小規模のコミュニティ,集落全体など種々の階層において,リスクワイズな行動を適切に実践するとと もに,効果的な防災機能を発現させるためには,地震発生時および被害発生時にとるべき行動や知識の普及・定着とあわせて,

  • 個人が地域社会の他者を信頼し,互いに助け合うことができること.
  • コミュニケーションや情報提供を通じて,自治体や各種防災組織と住民との間に信頼関係が構築されていること.
  • 関係組織間の信頼関係が構築されていること.

が 望ましい.このような,ソーシャル・キャピタルの蓄積・向上をはかることによって,国や自治体などの組織による個別的な対応で完結するのではなく,各主体 間の隙間を埋めるとともに,住民個々の自助・共助を通じて,孤立者や弱者を災害から擁護することが期待される.特に,小規模の集落やコミュニティによって 形成され,高齢化・過疎化問題を抱える傾向の強い農山漁村地域においては,ソーシャル・キャピタルの蓄積は地域の防災力向上に効果が高いと考えられる.

 

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