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EUの海洋エネルギー開発

 欧州委員会では,化石燃料の代替エネルギー源として,再生可能エネルギーの供給比率を向上させ,温室効果ガスの排出削減とともに,化石燃料の輸入比率を下げることをエネルギー戦略の柱としている。その具体的な目標として,2020年における再生可能エネルギー比率を20%まで増大させることを掲げ,組織的にエネルギー技術の開発を進めるために,戦略的エネルギー技術計画(the Strategic Energy Technology Plan)を策定した。この施策では,プロジェクトの共同体制化,欧州における当該分野の技術ポテンシャルの効率的な適用,および欧州市場に対する事業・活動機会の解放などを推進するものとなっている。特にこの計画では,地域レベルでの活動を含んだ技術開発プロジェクトを奨励するものとなっている 。そして2008年には,欧州レベル,国家レベルおよび企業レベルでの技術研究・開発活動を強化すると同時に,各国のエネルギー研究機関が欧州規模で協力するためにEuropean Energy Research Alliance(EERA)が設立された。
2006年12月,欧州委員会によるthe Seventh Framework Programme (FP7)の募集が開始された。この中で,海洋エネルギーでは次の3つの分野が取り上げられた。
  •      海洋エネルギー発電を行う新規装置および方式コンセプト
  •      海洋エネルギー戦略
  •      海洋エネルギーに関する準規範的な研究
     
これに続いて2番目の募集が2008年に行われた(FP7-ENERGY-2009-1)。この募集では,
  •      大水深沖合海域での風力・海洋エネルギー複合発電プラットフォーム分野の研究・開発
  •      沖合再生可能エネルギー変換プラットフォームの研究や開発プロジェクトの設立,調整
をテーマとして実施された。さらに関連する欧州委員会プロジェクトが2009年後期から開始される予定である。FP7のうち海洋エネルギー分野においては,CORESとEQUIMAR,2つのプロジェクトが採択され,2008年より始まっている。このほか,6つの実証試験プロジェクトが開始されようとしているところである。また2008年現在で,欧州委員会のthe Sixth Framework Programme (FP6)による補助・支援を受けて,4つの海洋エネルギープロジェクトが進行中となっている。

一方我が国では,
「新エネルギー利用促進特別措置法」において,海洋エネルギーは再生可能エネルギーとして認識されていない。このため,新エネルギー資源の利用促進に関する施策においても,海洋エネルギーに対する政策支援は消極的である。欧州の動きとは対照的である。欧州の海洋エネルギー開発政策と動向をまとめてみた(http://njpc.building.officelive.com/Report.aspx).

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