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道南太平洋のスケソウ豊漁とTAC

 道南太平洋海域のスケソウ漁は10/1に解禁になったところであるが,出足から好調で,12月前段階の推移では,冬場の抱卵魚の漁を前にしてTACに到達する勢いであるという。解禁直前の調査では,5歳魚主体で中位水準の資源量であるが,魚体は小型化が目立つという予想であった。一方ここまでの展開では,沿岸部の海水温が低めで,沿岸への回遊が促進されたことが漁獲増大につながっているのではないか,とコメントされているようだ。
 今の時期の漁獲はすり身用が主体で,この時点でTAC枠を使いすぎると,今後タラコ用の抱卵魚の漁獲可能量が減ってしまうことが,関係者の間で危惧されているという。そこで渡島・胆振スケソウ漁業者400人が緊急集会を開き,「スケソウがいるのに漁に出られない」と窮状訴え,TACの早期消化に対応し年内に期中増枠を求めていると言う(北海道漁協系統通信)。これに対し北海道サイドでは,科学的根拠に基づいて決定されたTACを変更することはない,というような見解であるらしい(読売新聞11/24)。
 それぞれの立場,利害の関わることに生半可なコメントを付けるのは不適切であることを意識したうえで,,,
  • 漁業者はTACを守り,その枠内で適正に漁を行おうとしている。
  • しかし,魚がいるのに漁に出られないのはつらい。またいつ,こんなにたくさん獲れるかわからないのだ。
  • だから,なんとか漁獲枠を増やすか,知事管理の留保枠を前倒ししてほしい。
  • すり身市況の悪化もあり,漁業者らはすでに,網の半減や出漁調整によりTAC枠温存に取り組んでいる。
と言うことになるだろうか。心情はわかるが,道の対応は,
  • 科学的調査,分析に基づいて評価した資源量と,それに基づいて設定したTACを簡単に変えるわけにはいかない。
  • また,沿岸でたくさん獲れているとしても,魚群の多くが沿岸に寄ったことによるのであれば,全体の資源量が増えたと判断するのはまだ早い。
  • 11月末までの状況をみて,この先大きな漁獲枠不足が出た場合には水産庁に増枠を要望する。
ということのようだ。今後,抱卵魚の漁に入るまでにあまり獲りすぎないで,漁獲配分を調整することで我慢しつつ,来年以降の資源と漁獲を確保する,というのが基本的な流れなのであろう。この視点では,”漁獲枠の不足”という表現にはちょっと違和感が・・・。が,どうなるか,留保枠があることだし,,,推移を気にしてみようと思っている。
 ところで,卵をとったあとのスケソウの身は,すり身などの加工に回るのであろうが,鮮度のよい身はなかなかに美味である。鍋でも,フライでも良い。以前,江差港にある漁組の直売所で1本10円で購入したことがあるが,とてもおいしかった。本当は10本位買ってあげたかったが,そんなにあっても食べきれず,近所にも配り切れずで,3本,30円で勘弁してもらった。これは安すぎと思うのだが。
とにかくは,資源と上手につきあってもらって,スケソウの身もタラコも食べられなくなる事態だけは避けてもらいたいと思う。
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