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日本の漁獲量の変遷

  世界の漁業生産は1990年代から概ね頭打ちになっている.一方,日本の漁業生産は90年代以降に激減し,現在はピーク時の40%を下回り,終戦後である 1950年代の水準となっている.海外の研究者の報告によると,1980年から2000年にかけて,日本の周辺海域から魚が激減したことが示されている. 水産総合研究センターの報告でも,日本の主要な漁業資源の状態は,約半数が低位にあるとのことである.

  我が国の年間漁獲量は1980年代当時,世界1位を誇っていた(1988年まで).その内訳をみると,1970年代はスケトウダラ,1980年代はマイワ シの大豊漁に支えられたものであった.このうちスケトウダラの漁獲は,200海里体制定着によって外国水域からの撤退を余儀なくされたこと,それを補って 本格化したベーリング公海も1988年のベーリング公海漁業規則により減少,国内漁場での資源減少などにより,1970年代半ばから減少が続き,現在では 盛期の15分の1以下まで低下した.このスケトウダラの減少と同じ時期に,それまでほとんどとれていなかったマイワシが急激に漁獲を拡大し,1980年代 には,我が国の年間漁獲量のピークを迎えることになった.しかしその一方では,マイワシ以外の多くの魚種で,漁獲は一様に減少傾向を示していた.突然登場 したマイワシが1990年代に入って急激に減少すると,1970年代から続いていたマイワシ以外の魚種の漁獲減少が顕在化したのである. 

 一説では,イワシは数十年周期で大規模な資源の増減が起こるとも言われる.スケトウダラの漁獲減少は200海里体制による外国漁場からの締め出し,ベーリング公海の規制が大きな原因で,これに加えて,国内漁場での乱獲による資源減少が追い打ちをかけたとも言えよう.

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